移転@2017/11/27
2017年11月27日(月)、旧店舗より徒歩で数分の場所に移転しました。
東京都台東区蔵前4-17-10 サングローリビル1F
※下記記事は移転前の取材記です。
トーキョービニール
店内
ガラス窓を開けて店内に入ると、所狭しと資材が積み重なった風景に圧倒されます。何が出てくるか分からない玉手箱のように、私たちは1つずつ商品を手に取り確認しながら吟味していきます。思わぬ掘り出し物や初めて見る資材に巡り合わせる機会も有りそうです。取扱商品は幅広く、テープ類(ヒモやバンド、ベルト、ストラップ等の総称)、プラスチックパーツ、ファスナーや生地などお店の規模以上に種類が豊富です。
歴史
トーキョービニールの船越さんはモノ作りに関わっていたキャリアから転身してトーキョービニールを創業しました。開業してからまだ3〜4年の比較的新しいお店です。店内の雰囲気からはその新しさを感じることは出来ませんが、前身の「東京ビニール製作所」というお店が閉店したのを機起業されたというお話しでした。東京ビニール製作所は40数年の歴史有る「材料屋」だったそうです。偶然居合わせた東京ビニール製作所の元オーナー様は妙齢の女性で、モノ作りを支えるネットワークに昭和の時代から女性が活躍出来る環境であったことに、新鮮な空気を感じることが出来ました。
クリエイターファースト
トーキョービニールは卸売りも小売りも同じく展開している店舗で、テープ類も10cmから購入出来るという類い希な経営です。このため非常に大きな労力が掛かっているはずですが、船越さんの思いは作り手と共にあります。「1本の釘が必要なのに100本の釘を買わされて99本を無駄にする」と言うことがないように、様々なロットで対応されていることも特徴的です。店頭でも丁寧に1人ずつ対応されておりますが、これが混雑の1つの理由だと言うことに気がつくと、大変な労力に改めて敬服すると同時にモノ作りを支える信念を強く感じることが出来ました。
船越さんにお話しを伺っていると、「相談して欲しい」「聞いて欲しい」「質問して欲しい」という言葉が続いて発せられていました。「作りたい思いがある方は、作りたいもののために思いを私に話してくれます。その気持ちを実現できる人や工場を探します」というお話しにあるように、INASENAの相談にもとことん付き合って頂いております。クリエイターファーストのサポートには深く感謝する次第です。
色彩の制限を超える
そんな思いを形にしたのがトーキョービニールオリジナルのナイロンテープです。トーキョービニール自らが染色してオリジナルの商品を提供しています。欲しい色のテープがなくて「黒のテープで妥協する」ようなモノ作りを変えていきたい!と言う思いから独自に工場で染色した商品は店頭にさりげなく並んでいます。
船越さんが語るキーワード「色彩の制限を超える」、という言葉が表すように様々なアイテムで自由度の高いパーツの選択が出来ることは、零細企業や個人のモノ作り環境を大きく解放してくれる取組ですね。
まとめ
単なる資材卸し店とは一線を画しているトーキョービニール。お店を構成するのは多くのクリエイターに寄り添う価値観がありました。私も敬愛するアウトドアブランドの大御所もこちらの顧客という話を伺いましたが、納得することが出来ました。クリエイターに対して「この世に無いモノは作ること」というメッセージを伝えたいと言うお話しからも、高い意識を持ってらっしゃる方ということが分かります。店頭でもメールでも「どしどし相談して欲しい」と言うことなので、今後のINASENAのモノ作りにも沢山のご協力をいただく事になりそうです。